めがね~哲学的な作品
監督は荻上直子。
韓国の鬼才、ポンジュノ監督が「日本人にしか撮れない映画」と評したこの作品。
DVDのビジュアルから以前からちょっとだけ気になっていた作品でしたがポンジュノの評価を聞いて鑑賞した映画です。
あまり期待していなかったのですが観終わればなんとオシャレな映画でしょう!
余計な説明を排除して独特な間合いと俳優たちの表情、絶好のロケーションから構成されている映画です。
映画の雰囲気はまるで桃源郷。地球上のすべての国が、人がこんな生活を送っていたら平和そのものなんでしょう。
観てもみなくてもいいけれど観たら確かな足跡を残す映画です。
豊かな感性を持った映画でありました!
義兄弟
監督はチャンフン。
キャストはソンガンホ、カンドンウォン。
これは良作でした。
ソンガンホ、相変わらずいい味出している。円熟味を増した演技とは彼のことを指すのでしょう。彼が演じれば紙の上のセリフが生き生きし、生活があり、人生が感じられる。稀有な俳優だと思います。
カンドンウォンの演技も良かった。どこか人を警戒しながらも繊細な心を持つ人物像をうまく体現していたと思います。
民族であったり社会的な肩書きを忘れた時、そこには一人の人間の魂、心が見えるんですね。肩書きにとらわれず目の前の人の人間性とどれだけ向き合うことができるのか、試されている感じがします。
アクション映画としても面白かった。カーアクションがリアリティありました。
またみよーっと!!
LUCY
監督はリュックベッソン。
キャストはスカーレットヨハンソン、モーガンフリーマン、チェミンシクなど。
たまにはこういう何も考えなくてもドカーンドカーンで楽しめる映画もいいですね。
人の脳を100%使えるとなると人はどんな能力を発揮できるか?
映画の中のことはどこまで本当かわからないけれども興味ありますね。
本当にめちゃめちゃな映画だったけど韓国の名優、チェミンシクが出ていてかなりびっくり。しかもモーガンフリーマンまで!!
こんな豪華な俳優陣が出てくれているのならばもう少し長い映画にしてほしかった・・・終わるのあっという間でしたもの。
モーガンフリーマンのセリフはかなり印象的でしたね。「生命の目的は知識を伝える」ことだと。個人的にはこういう哲学的なところをもっと掘り下げた映画を観たかった。
ただどんぱちやる映画がお好きな人は十分楽しめると思います。
自分にとって本質的なこと
神奈川で生活し始めて3ヶ月。来週には今の家を出なければならない。
3ヶ月でバイオリン職人の職を辞してとあるスタートアップ企業の社長さんからお声がけを頂いてこっちに住みながらインターンと転職活動をすることになった。
結果的には社長さんにはものすごくお世話になって人生の視野が広がったし色んな出会いがあった。主にベンチャー企業の社長さんと接する機会が多かった。
そうだけど俺は甘えっぱなしでインターンでは大して成果を上げることができていなかった。というより何もスキルがないから何をしたらいいか何をどうがんばったらいいか分からなかった。単なる言い訳かもしれないけれども自分はこの社会で全く通用しないのだと痛感した。
やりたくないことには拒絶反応が起こる。徹底的に自分のために生きたい。やりたくないことは断りたいしやりたいことに集中したい。
大学までは我慢してやりたくないことも続けた。その一つはラグビーだった。俺はスポーツが得意ではないし好きでもない。だけどラグビー部に入ってやめることができずというより辞める勇気がなかった。
その反動からかバイオリン屋に入ってからやりたくないと思うとすぐにやめた。
自分にとって本質的なこととはなんだろうか。
それは劣等感や優越感や他人との比較がないところにあるのではなかろうか。
痩せてあの人のようにかっこよくなってモテたいだとか同期のあいつは就職してたくさん稼いでいるとかそんな他者と自分を比較して焦って何かをやること。これは本質から逸れている気がしている。
そうではなくこれをやっているときが生きている喜びを感じられるのだというものが本質的なことではなかろうか。
俺にとっては「クラシック音楽を聴くこと」「芝居を観ること」が最もやりたいことで自分の本質が見えるものだ。
クラシック音楽は子供の頃から好きだった。母がピアノ教室を運営していたため物心ついたときはピアノがあり音楽があった。クラシック音楽は中学から熱心に聴き始めた。きっかけは確かベートーベンとの出会いだったと思う。フルトヴェングラー指揮の第九は衝撃を受けた。それから交響曲全集を買って繰り返し繰り返し聴いたものだった。
クラシック音楽のよさは数百年前に作曲されたものが今聴けるという奇跡に立ち会えることにある。時間が経っても残るものは本質的だ。そんな本質的なことが好きだ。
大学時代は映画にハマった。大学の講義よりも就活よりも映画を観ることの方が大切だと思ったので4年になる年は単位を一切とらず家に引きこもってあるいは映画館に行き映画を観まくる1年を送った。気に入った映画は何度も繰り返し観た。その年は400本くらい観たと思う。
なぜ映画を観ることが面白いのだろうか
第一に時空や国境を越えて自分が知らない世界を観ることができるということ。
第二に自分が送っている人生とは全く異なる人生を追体験できること。
第三に現実と虚構を行ったり来たりできること。
そして最後に俳優の演技を観ることができること。
以上の4点にある。
演劇も好きだ。映画は顔を切り取ったり風景を切り取ったりしているのでどうしても現実とはかなり異なり不自然といえば不自然だ。
だが演劇はライブ感がありまるで他者の日常へハリーポッターがよく使う透明になれるマントを被って侵入しているような感覚になる。俳優の肉声や身体によってある空気が作られるところが面白い。
映画でも演劇でも俳優の演技を観ることがとても楽しい。
率直に思うのは「この人たち、何をしているんだろう?」ということだ。
ある時は実在の政治家の格好になって会話しまたある時はアウシュヴィッツから生き延びた人になって会話しまたある時はシングルマザーになって夫と会話し・・・
不思議なことをしているなと思う。
嘘といえば嘘だけどそこに真実があったりする。また現実の中にも映画のような虚構があることもある。そんな真実と虚構の狭間で人は生きていくのだろう。
人ならばみんな演技をすると思う。ある時は誰かの息子として振る舞い、とあるときは誰かの恋人として振る舞い、またあるときは誰かの上司として振舞う。仕事と家庭で同じように振舞うことはできないだろう。稀にそういう人もいるかもしれないが。
服を着替えることも演技のうちだと思う。人間はみんな俳優だ。そういう意味で俳優という不思議な職業は最も人間的というか人間の本質を体現する職業ではないかと映画ファンとしては思う。
いずれ自分もスクリーンの中に入りたい。舞台にも立ちたい。カッコいい人ばかりが俳優じゃない。自分みたいな不細工な人でもスクリーンに入れるのだ。それを証明したい。
音楽と芝居に自分の本質がある気がしている。音楽を聴くときには劣等感も優越感も他者との比較もなくただただ「生きる喜び」がある。自分より音楽に詳しい人がいても特に何とも思わない。劣等感を抱くことはない。
24歳の時点で自分の本質に気付くなんて諦観している感じもする。
だが心の支えというか拠り所となるものがあることは今後生きていく上でプラスになることではなかろうか。あとはどんどん自分の可能性を信じて行動していくことだろう。
転職活動はというとなかなか決まらない。今3社結果待ちである。
とりあえず来週からは自分の力で生きていかなければならない。バイトはしたくない・・・
したくないことはなるべくしない。でも食っていくためにはしたくないこともしなきゃならんのか。
来週の月曜以降の家が決まっていない。泊めてもいいという心優しい方は連絡ください!!
TEL 08060498002
LINE bn59
Mail daisukeaigo_item@yahoo.co.jp
ブリッジオブスパイ
監督はスティーブンスピルバーグ。
キャストはトムハンクス、マークライランスなど。
まず映像が秀逸。最初のシーンからぐっと引き込まれました。スピルバーグの映像は威厳すら感じられます。
俺が観たスピルバーグの作品は「ジョーズ」「ET」「リンカーン」「プライベートライアン」「シンドラーのリスト」ですがその中で最も映像が綺麗で構図も面白かったです。
内容を追っていくのはなかなか難しかった。途中からなんの話だっけ??ってなりましたが最後はいい終わり方。
法の外に追いやられた人を弁護士が必死になって救う。めちゃくちゃかっこよかった。憲法や原理原則を一生懸命守る。しかもスーパーマンではなくて一般市民の一人がです。俺も何か大きなことができる、そんな風に勇気を持てる映画です。
助演のマークライランスも味があっていい演技でした。
オススメです!!
リトルダンサー
監督はスティーブンダルドリー
キャストはジェイミーベル、ジュリーウォルターズなど。
内容はいたってシンプルだが主役の子役が素晴らしい演技を見せているし音楽も効果的に使われている。かなりの名作ではないか!!!
まぁハッピーエンドではあるが単なるサクセスストーリーではない。
登場人物たちの葛藤があり、偏見に屈しないという強い精神性も描かれている。主役はイケメンだったなぁ。大人になってもイケメンだろうな。
自分も夢を見せる存在でなければならない。
本当にそう思う。
ルアヴールの靴磨き
監督はアキカウリマスキ。
キャストはアンドレウィルム、カティオーティネンなど。
アキカウリマスキの作品は「過去のない男」と「マッチ工場の少女」を鑑賞した。
今回のルアヴールの靴磨き。
相変わらずアキ監督独特の間合い、俳優たちの演技、アップの多用、構図の美しさといった特徴があげられる。
アキ監督の映画はごく一般的な庶民が主人公として登場する。その暮らしぶりを見るとごく一般的な庶民よりも貧しいのかもしれない。
ストーリー展開には少し楽観的すぎるところはあるものの事実を淡々と描くアキ監督の手法や俳優たちの繊細な演技は好きだ。特に黒人の少年とベトナム人の青年は印象的であった。「過去のない男」にも犬が登場したが今回も犬が登場しカンヌ映画祭ではパルムドッグ賞を受賞したという。日本映画では犬をお涙頂戴の道具として使う映画もあるがアキ監督は一人の立派な俳優としてリアリティのある演技をさせているように感じられる。大変よかった。
もっとアキ監督の作品を観てみたいと思う。